拝啓 続くお前たちへ
とりあえず、俺にとっての三人について話をさせていただくとする。 葛楓。こいつは高校生の頃の友人で、音信不通だった。日吉(ひよし)祐樹。中学高校と一緒だった友人で、音信不通だった。是枝──今は三橋(みつは…
続きを読む →とりあえず、俺にとっての三人について話をさせていただくとする。 葛楓。こいつは高校生の頃の友人で、音信不通だった。日吉(ひよし)祐樹。中学高校と一緒だった友人で、音信不通だった。是枝──今は三橋(みつは…
続きを読む →水晶を砕いたような光をまぶした海面を眺めていると、どこからか飛んできた花びらが頬を撫でていった。 落ちていくそれを受け止めようと掌を出すと、花びらはそこが終着点と言わんばかりに、自然な動きで中央におさま…
続きを読む →潮の匂いがすると、最初に脳裏に浮かぶのは錆びるのではないかとか、砂を噛むのではないかとか、そういう機材への気遣いになりつつあった。そんなこと言ったって、潮も雨も砂もすべてこのカメラと一緒に超えていくしか、…
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