高嶋双子お誕生日 – 彼女と水面

こんにちは、遠子です。

そして高嶋永句と永久、お誕生日です。

生まれたのが2016年の頭なので9回目のお祝い、誕生日設定後から数えると確認出来る限り8回目のようです。
性転換したキャラクターを双子のきょうだいにするのが好き、という単純な性癖から生まれた双子、いつの間にか性転換先の妹のほうがメイン格になりましたが、当の双子の間に区別や差はありません。それぞれが恋人や、家族、友人達に祝われていることと思います。

記念として本日0時から頒布開始した高嶋永句アクキー、どうぞよろしくお願いいたします。

BOOTH通販ページ

印刷所はユニファクトリーさんです。
以前、三橋葵のこれもまた誕生日記念グッズとしてアクキー(オーロラ・クリアのドーミングアクキー)を制作していただき、印刷の美しさとグッズの種類にときめき、また必ず使いたい! と考えておりました。
水面のような表面加工が施されたアクリルを使用し、両面印刷で表現した音楽再生画面風のアクキーです。
ユニファクトリーさんのサイトでこの水面アクキーを見たとき、これは永句でなにか作りたい! と気持ちがぎゅんぎゅん高まり、勢いで即制作を果たしました。
好きなものを自分の観測範囲のひとたちと結びつけるきらいがあるので、オーロラアクリルは三橋葵だな〜と思っているのですが、水面アクリルは高嶋永句だと思います。そうとしか思えないので作ってしまいました。画像の通りとても、かなり、とてつもなく、やばくかわいいです。

昨年末におまかせグッズ(送付したイラストでユニファクトリーさんがデータを制作してくださり、ユニファクトリーさんセレクトのグッズにしてくださるお楽しみ商品)でお願いした2つのうち片方が水面アクキーでして、運命かも……! と心が浮き立ちました。
こちらは一部を頒布させていただいたのですが、大変ありがたいことに既存絵を使ったグッズでありながら即完売いたしました。改めてありがとうございます。

おまかせグッズの仕様上やむを得なかったのですが、それでもやはり即完売過ぎて欲しいと言ってくださった方の手に届かなかったな……という思いから、今回は事前アンケートでいただいた個数に更に上乗せして制作しています。
そうそうなくならないだろうということで、おひとり3つまでのご購入が可能です。もしよければ保存用と使う用、お求めください……!

デザインのコンセプトはそのまんま「音楽再生画面」ですが、ちらほらと高嶋永句ならではの要素を入れています。

シークバーにあたる部分は、終わりのない五線譜
永句にとって音楽とは果てのあるものではなく、世界がある限りそこに在るものです。

再生や一時停止のアイコンにあたる部分は、左から
きらめく星、巻き戻し、ピン留め、早送り、リピート。

きらめく星は「永句にとってきらめく音楽」の意。高評価ボタンぽいですが、ブックマーク的な意味合いの方が近い気がします。
すべての音楽がきらめいているだろう永句にとって、今更とびきり光るものって……? と思われるかもしれませんが、本当にその通り永句にとって音楽とはすべてがきらめいているので、多分どんな曲のときでも光っています。常時ONアイコンです。

巻き戻し/早送りはそのままですが、永句は道行く人々や世界から様々な音楽を聞く中で、「これだ」と思ったうたにピントを合わせてわたしたちが聴ける「音楽」に直しています。
なので曲のチャンネル(ピント)を変えるためのボタンでもあります。
リピートも同じような意図でそのままにしています。ひとつの曲を出力するときにはひとつのうたにピントを合わせ続けているので、擬似的一曲リピートだよなあと思い残しました。

巻き戻し早送りの間にあるピン留めアイコンは、永句が「音楽」に出力すると決めたうたにのみ光るものです。万物万象からうたを聴き取り、しかし人間として生きる以上、出力出来るものは限りがある彼女にとって、これが一番大事なアイコンだと思います。
音楽の再生/一時停止は高嶋永句の人生に限って「無い」ので、このメインとなるアイコンをどうするかは結構悩みました。結果的に一番納得のいくアイコンになったな、と感じています。

下のロゴだけ裏表で実は違いまして、通常のアクリルと同じように平らな表はバンド「ネリネ」のロゴ、水面アクリルのキモであるでこぼこの裏は「高嶋永句(時期や作品によっては永久)」のロゴです。
これは基本音楽へのスタンスが変わらない彼女の、no sheと慰涙における若干の違いを示しています。

裏(でこぼこのほう)からジャケット風にくり抜かれた透明部分を覗き、「景色=音楽」を見ることは、幼い頃から高嶋永句が持っている感覚そのものです。
水面を隔てたような世界の外側に立つ彼女は、音楽でのみそこにアクセス出来ます。わたしたち人間が通常水面越しに世界を望むことはありませんが、永句にとってはむしろその感覚(景色)が当たり前で、他人事で見れば美しい反面、どこか冷たくもあるものです。
裏側は水面のような加工が全体に施されており、アイコン等の可読性は低いですが、その分くり抜かれた景色に注目がいきやすいのかなと考えています。
隔てられたその先にいる、彼女の「水の中にいる」「世界の外にいる」「そこからうたを聴いている」という感覚を疑似体験出来るアクキーです。わたしたちが行えるのは景色を見るまでですが……

一方、表(平らなほう)からジャケット窓の透明部分を覗くと、水面のエフェクトがかかったような景色が望めます。
表のほうが情報の可読性が高く、「ネリネ」のロゴまでばっちり見えるのは『深海のロック』における永句がより人間らしく世界とのアクセス(相互)を可能にしているからです。天野歩くんとの出逢い、ネリネを組むことが出来た彼女は慰涙における彼女よりも、少しだけこちらに近いところにいます。
しかし立っているのは完全に世界の内側というわけではなく、境界のちょうど上なのかなと思います。覗く「景色」には変わらず水面のフィルターがかかりますが、彼女にとって音楽が「海」でなくなることはありません。たとえ理解者が増えても、彼氏がいても、バンドが出来てもです。
no she、深海のロックにおける高嶋永句は、世界の内外を自分の意思である程度行き来出来る、部分的なオンオフが出来るような、「慰涙のときより上手にやっている」状態なのかもしれません。
「わたしたちの少し近くに立っている」のも、彼女が恐ろしさすらある遠さを持った天才であることが薄れたというより、「天才が人間のことを理解し始めて活動範囲を広げた」ような、どちらかと言うとそんな気がします。ちょっと怖いな、とも思いますが……悲哀がわからないのは変わらずだし……
どちらにしても永句の疑似体験が出来るわけですが、裏表でその意味はほんのり異なります。迎えてくださった方、よければぜひそこも楽しんでください……!

高嶋永句は善良な家庭で両親と双子の兄に愛され育ちましたが、本質的に化物であり、世界の異物=潜在悪である、というのがここ数年一貫しているものです。
善き環境で育った故に常識も倫理観も礼儀もしっかりしておりますが、原初の海の性質を生まれ持ったため命への愛着が薄く、「在るけど、勝手に在るだけ」というスタンスです。
世界を「外側から見るもの」と受け入れ、世界観が違えば「うーん、要らないかも!」と滅亡に向けてのキーになってしまうわけで、大学生のお気持ちだけで滅亡なんてするはずがない普段の世界でも、大抵の存在はなんとなく永句を「怖い」と感じてしまいます。
悲哀はわからず、嫉妬も不満も劣等感もない。
善き人達の善き部分を忠実に名乗っている、人間マシン……まで言うと暴言ですが、実際多少はそういう面があると思います。
世界というシステムに愛された故に人として不幸な因果を負いやすい葵と、世界というシステムの異物故に自動の排除意志として不幸な因果を負いやすい永句。
結果は似ているのですが、葵は「愛って暴力的」で、永句は「怖いからいなくなってほしい」という……本人たちは全然そんなこと考えてないです(世界に愛されてるとか嫌われてるとか考えるタイプではない)。

しかし、だからこそ彼女が有している「音楽の才能」は、世界が永句を愛するために見出だした人間性オプションのようなものです。人間にしては十分規格外だけど。
一般の人間からすると茫漠とした才能を持つ恐ろしい女ですが、逆に世界からすれば、故にこそ永句が人として生きていけるわけで。
音楽のない永句は潜在悪100%ですから、十中八九早々に天命が尽きます。それが世界のためなので(それで死ねるレベルの潜在悪かと言うと、多分全然そうではないのですが)
一般人化のためにしては行き過ぎやり過ぎな才ですが、逆に「高嶋永句が怖いのは無自覚にあのレベルの天才だからだ」と他人は納得してくれるので、まぁ正しい措置……ではないですが……もっとうまくやれただろうし……そんなオプションがある割に永句は(異物を排除したい世界の無意識的因果が作用するので)不運だし……
オプション、と言っていますが外付けの性質なわけではなく、永句の中にしっかりとあります。与えられたわけではなく、見出だされたもの。永句は確かにその内側に才能を持ち、それは人に畏怖される原因ですが、反面人に敬意を払われる理由でもある。永句としても人との感情アクセスが基本音楽頼みなので、彼女が人の形で生きていくにはあったほうがいいのです。
もっとうまくやれただろというのはさておき……

このへんは9年間でかなりしっかり定まったな、と思います。
4年目か5年目あたり、もしかしたらもっと早かったかもしれませんが、永句のこのあたりは長いこと固まっていて、今に至るまで「実際永句はこんな感じ」とその姿を描いております。
三橋葵とは対照的に、何かが変わった記憶も少ないです。気弱な設定が霧散して、それってどんな感情? モンスターになったくらいかな……(デカすぎますね……)

わたしは永句のような美人が大好きであり、永句のような「潜在的にヤバいけど現代日本なので大事にはならない」というギリギリレースの存在が好きです。でも化物だし、人の心ないし、なのに人間としては完璧超人だし家庭環境にも恵まれてるし、苦手だったり嫌いだったりの言葉をもらってもまぁ……そうですね……と納得します。それは永句に限ったことではなく、大体みんなにありますが。
完璧な人間がいないのは現実に限った話ではなく、「出来過ぎた人間」だって違和感や嫌悪感を抱かれるし、わたしが好きなものは絶対にどこかの誰かが嫌いなものです。
慰涙のことが好きになれない方がいても、そういうこともあるよな、と思います。人間ですから。
永句は葵ほど露出がなく、見なくても遠子の創作を吸うのにめちゃ支障が……最近は若干ありそうですが……それでも葵ほどはないはずなので、慰涙全体はほんのり好きだが高嶋永句は苦手! という方もいるかもしれません。もちろんあって当然です。人間ですから。
嫌われたり苦手意識を持たれるのは人間を描けている証左だと思うので、一定喜びます。もちろん好かれたらうれしく、そ、そこまで……!? という憎悪を抱かれたら動揺しますが……!

永句はこのあたりの人の営みもうたとして聴き取っているんだろうと、頭が下がる思いです。
新宿の喫茶店から見下ろした景色を埋め尽くす数多の人間すべてに人生があると認識して目眩を起こしていたわたしでは、到底見れないものを見ているのだろうと思います。

長くなりましたが改めて。
高嶋永久くん、お誕生日おめでとう。
高嶋永句ちゃん、お誕生日おめでとう。
双子の君たちが家族という絆を持ち、それぞれの音楽を抱え、わかれていく線路を進みながらもその人生の路線図を広げていくことを、観測者として祈っています。

それではここまで読んでいただき、ありがとうございます。
あなたのこころにひとしずくの旋律が落ちることを祈って。

遠子

 

◯この記事に出てきた頒布物

(各タイトルのリンクタップで慰涙通販ページに移動します)
「世界のうた」概念水面アクキー
深海のロック①深海のロック
深海のロック②オレ達にアンコールはいらない

ブログ一覧に戻る